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土地の使用

1.定期借地権、建物譲渡特約付借地権など

A 定期借地権
 (1) 地主にとっての定期借地権
  (a) 必ず返還される。
    → 期間が限定された借地権である。
  (b) ただで返還される。
    → キャピタルゲインは土地所有者に帰属する。
    → 更地返還は法の要件ではない。
  (c) 利用することに意味がある。
    → 土地利用が促進される。
    ・残存期間が減れば価値は減る
    ・期間満了時には価値はゼロになる
  (d) 相続税対策にはならないが、適正な収入が安定的に得られる。
    ・地代値上げルールを契約に入れられる

 (2) 権利の種類
     借地権 賃借権(イメージ) ……債権
     (定期) 地上権(イメージ) ……物権 譲渡自由

    ・定期借地権では「貸借権」でも「地上権」でも最終的にはどちらでも同じ
     → 土地所有権に返還

    ・定期借地権方式(地上権方式)
      土地所有者が、公共団体の場合は、権利金方式で事業者に定期借地するこ      とにより、権利金に代えて「必要な施設」を新たな資金負担なしで手に入れる      ことができ、かつ低廉な住宅供給が実現する。(課題:借地期間を制限してい      る条件がある場合はその改正が必要)

    ・事業用借地権
      − 存続期間 10年以上 20年以下
      − 建物はもっぱら事業の用に供する建物に限る。
      − 住宅を含む場合は「事業用借地権」は不可

定 期 借 地 権

 
貸借権方式
地上権方式
定期所有権方式
借地権の譲渡転貸 原則 設定者の承諾が必要。但し、約定で承諾の要件を緩和することは可能。 借地権者の自由 借地権者の自由
敷地利用権への 抵当権設定
不可
   可能 (商品として魅)    可能 (商品として魅力)
地代支払い
通常は定期払い 一部一括前払い可能
通常は定期払い 一括前払い可能 権利金方式による一括前払い(公租公租公課分のみ支払い)
地代改定 定期払いは必要 定期払いは必要 必要なし
地代の所得区分 不動産所得 不動産所得 権利金が土地価格の50%超なら譲渡所得(注)

 

(注)土地価格の50%を超える権利金で譲渡し、譲渡所得として認定された場合には、
租税特別措置法の立体買い換えの特例により、等価交換が可能になる → 権利金を現金で受け取る(課税される)代わりにそれと等価の建物を受け取ることができる。
「定期借地権と都市的土地利用」 大西 誠 著 より



B 新しい借地権(定期借地権など)と普通借地権
  定期借地権(法22) 建物譲渡特約付借地権(法23) 事業用借地権(法24) 普通借地権(法3)
存続期間 50年以上 30年以上 10年以上20年以下 30年以上
利用目的 限定なし
なし
もっぱら事業用(居住用の賃貸を除く)
なし
契約方式 公正証書など書面による更新排除などの特約
なし
公正証書による
なし
期間満了の結果 借地関係終了
同左
同左
法定更新あり(最初の更新後の期間20年、その後10年)。借地終了には正当事由が必要
特徴 公正証書など書面による。 @更新排除特約可
A建物の再築による存続期間延長排除特約可
B建物買取請求権排除特約可
@借地権の更新の規定に縛られない。
A30年以上の経過後、借地上の建物を地主に譲渡(売却など)する旨を定めることができる。
@更新の規定適用なし。
A建物の再築による存続期間延長の規定の適用なし。
B建物買取請求権がない。
@更新の規定適用。契約終了に正当事由必要
A建物再築による存続期間の延長の規定適用
B建物買取請求権がある。
終了時の建物とその利用関係 建物買取請求権排除特約によって、借地人は建物収去、土地明渡し。借家人も退去明渡し。ただし、最善の借家人は、最長で1年間の明渡猶予によって保護される。 @建物所有権が地主に移転する。 A借家・借地人の請求によって借家関係へ移行
B家賃は協議できなければ裁判所で決定
借地人は建物収去、土地明渡し。ただし、最善の借家人は、最長で1年間の明渡猶予によって保護される。 建物買取請求権の行使によって、借家関係継続。借地人は格別の合意が無ければ、建物から退去する。建物買取請求権の行使のないとき、善意の借家人は、最長で1年間の明渡猶予によって保護される。

  日本法令社 ビジネスガイド「新借地借家法 実務対策マニュアル」
     借地借家法実務対策専門委員会 編