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【PPP関連博士論文】安間匡明氏による博士論文「官民連携(PPP)における有限責任性に関する研究」のご案内

安間匡明氏によります博士論文、「官民連携(PPP)における有限責任性に関する研究」が公開されましたのでご案内致します。

下記概要をご覧の上、是非ご一読ください。


本書の概要(要旨)

本論文は,PPP契約における有限責任性の問題を取り上げている。その結論は本文第8章に記されているが,そのうち政策的インプリケーションに関する部分(概要)は次の通りである。

公共主体がPPP契約の設計において,民間事業者の有限責任性を確保することにより,資本コストの削減を通じたVFMの向上が可能となる。しかし,有限責任性の追求は,民間事業者がPPP事業に宛がう財務資本の削減を通じて,事業遂行上のコミットメントの低下を齎しかねない。この二律背反の問題を解決するためには,有限責任性に関わらず,事業完遂に向けたコミットメントの高い民間事業者を選定するための情報収集が不可欠である。逆に,信頼性の高い事業者選定を行わない場合には,相対的には難易度の高いインフラの運営・維持管理の部分の民業移管が難しくなる,あるいは,公共主体が賠償責任条項を過度に強化するために,そのことがVFM向上の妨げとなる。従って,有限責任性を積極的に活用してVFMを向上させるためには,PPP契約設計における有限責任性確保と同時に,民間事業者の評価プロセスにおいて,事業者の運営パフォーマンスの質を基にした評価選定を行う必要がある。


本書の内容・目次

第1章 序論
第2章 PPPにおけるプロジェクトファイナンス
第3章 プロジェクトファイナンスが齎す社会的価値
第4章 インドPPPにおける金融モニタリング機能
第5章 サービス購入型PPPの金融モニタリング
第6章 我が国のPPP契約における賠償責任
第7章 PPP推進策と金融資本市場政策
第8章 結論

著者略歴

  • 安間匡明(あんままさあき)
    • 1982年,現在の㈱国際協力銀行入行。世界銀行日本理事室出向,プロジェクトファイナンス部課長,開発金融研究所副所長,業務企画室長,経営企画部長,企画管理部門長等を経て,2017年取締役退任。
    • 大和証券株式会社顧問を経て,PwCサステナビリティ合同会社執行役員。その傍ら,土木学会にてインフラファイナンス研究小委員会委員長,一橋大学公共政策大学院客員教授,東京大学社会基盤学専攻非常勤講師としてインフラPPPの研究に携わる。
    • 経済同友会会員。京都大学経済学部卒,英国LSE大学院経済学Diploma修了,標記論文により2022年2月東京大学博士(工学)。


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