PFI・PPP関連ニュース
▽2024.10.23
内閣府/10億円未満「小さなPFI」の形成支援、24年度内に手引策定
内閣府は、契約金額が10億円未満となる「小さなPFI」の案件形成や事業化の支援に一段と力を入れる。PFI法に基づく事業ベースで件数が全体の約2割を占めるようになってきた。実施件数の増加を受け、職員が不足する地方自治体や採算確保が難しい小規模事業でも、分野横断や広域の枠組みで案件を形成できるよう、2024年度中に手引を策定する。地域ごとに形成されているPPP/PFIの地域プラットフォームで小規模対応の在り方も検討する。策定する手引は類似施設・共通業務の統合、自治体連携による効率化・補完、領域・規模の拡大などを目的に、共同整備・運営、県のリードと管内市町村の連携、一括業務発注、複数自治体の共同発注といった手法の検討を想定している。隣り合う自治体の連携や、民間事業者の参加を促すツールとして生かす。
情報元:建設工業新聞
財務省/群マネに呼応しインフラ広域管理を主張、行政コスト低減期待
財務省は、人口減少やインフラの老朽化で人口1人当たりのインフラ関連コストの増加が見込まれることを踏まえ、既存の行政区画にとらわれない広域的なインフラマネジメントを推進していくことが重要との考えを示した。具体例として複数の地方自治体・エリアを対象に包括的民間委託などで広域的・分野横断的な維持管理を導入する方策を挙げた。国土交通省が推進する「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」の考え方に、財政当局の視点で呼応した格好だ。22日の財政制度等審議会(財政審、財務相の諮問機関)財政制度分科会で「地方財政」に関する見解の一つとして説明した。2025年度予算編成に向け、今後さまざまな政策課題に対する予算の在り方を財政審で議論する。
情報元:建設工業新聞
八千代エンジニヤリングら/橋梁予防保全スキームを検討/国交省モデル事業に採択
八千代エンジニヤリングと三井住友信託銀行、三井住友トラスト基礎研究所(東京都港区、百瀬義徳社長)は2日、国土交通省が実施する「民間提案型官民連携モデリング事業」に採択されたと発表した。老朽化が懸念される橋梁のうち、維持管理費用が高い橋種や工種を特定し、予防保全の実行を促すスキームを検討する。将来の維持費用増加を抑制する狙いから、包括的民間委託と資金調達手法の両面から取り組んでいく。情報元:建設工業新聞
▽2024.10.18
国交省/スモールコンセッションのフォーラムを11月12日に開催/事業手法普及へ
国土交通省は11月12日、地方自治体が所有する空き家などの運営を民間委託し、有効活用する「スモールコンセッション」をテーマとしたフォーラムを都内で開く。東洋大学PPP研究センター長の根本祐二氏が「地方創生のためのスモールコンセッションへの期待」と題して基調講演する。有識者や自治体職員によるパネルディスカッションも実施し、今後の事業を展望する。スモールコンセッションは事業費が10億円未満の小規模な官民連携手法。民間ノウハウの導入で自治体が所有する廃校などを有効活用し、地方創生につなげる。自治体の財政状況が厳しさを増す中で、維持管理費の削減策としても期待される。国交省はさまざまな官民が参加・連携する「スモールコンセッションプラットフォーム(仮称)」を設立し、同手法の普及を後押しする。
情報元:建設工業新聞
▽2024.10.17
国交省/11月の官民対話イベント参加者募集/学校跡活用など全国63件対象
国土交通省は地方自治体による官民連携事業の創出を支援するため、自治体と民間企業のサウンディング(対話)イベントを11月に開く。複合施設の整備や学校跡地の活用など自治体が応募した63件の事業を対象に、民間事業者からのアイデアや意見を募る。対話の参加事業者を募集する。イベントはウェブ会議システムで開き、希望する自治体は傍聴できる。イベントは全国を3ブロックに分けて実施する。「北海道、東北、関東」は11月1日、「北陸、中部、近畿」は同8日、「中国、四国、九州・沖縄」は同15日に開催。いずれも午前9時50分ころから午後4時30分ころまで実施する。
全国の自治体から応募があり、公共施設のリニューアルや跡地の活用調査、まちづくりの検討など幅広い案件が対話対象になる。秋田市は新スタジアムの建設事業や市有地の有効活用方法について聞き取る。茨城県土浦市は、霞ケ浦総合公園の運営に民間の資金やノウハウを生かすPark-PFI(公募設置管理制度)事業の導入可能性を調査する。
情報元:建設工業新聞
国交省、経産省/11月11日に上下水道の官民連携事業検討会を合同開催
国土交通、経済産業両省は水道と下水道の官民連携事業創出を促す検討会を初めて合同開催する。両省による情報発信や官民のフリーマッチングなどを行う。11月11日に長野市にある長野ターミナル会館で開催する。オンラインでも同時配信する。4月の国交省への水道行政移管を踏まえ、「水道分野における官民連携推進協議会」と「下水道における新たなPPP/PFI事業の促進に向けた検討会」を初めて合同開催する。時間は午前10時30分から午後5時まで。参加無料。先行事例を実務担当者が説明する特別講演も予定している。
情報元:建設工業新聞
▽2024.10.15
秦野市/学校整備指針示す/新たな学び方に対応
神奈川県秦野市は、将来の学校施設の在り方を検討するための基礎資料として「みんなで考えるみらいの学校整備指針」をまとめた。学校施設の現状や課題を整理し、新たな学びに対応する施設の基本スタイル、整備指針、検討の進め方などを示した。今後はこれを基に、地域ごとに意見交換会や勉強会などを実施し、各地区の「学校施設整備構想」を策定する。整備指針としては、▽中学校区単位での整備検討▽既存施設の最大活用▽施設の適切な維持保全▽耐用年数を超えて使用する場合の耐力度調査の実施--の四つを示した。中学校区別指針では、各地区ごとの方向性を提示したほか、公共施設との複合化も検討するとした。整備手法はPPP/PFI手法を、従来型手法より優先して検討する。
情報元:建設通信新聞
▽2024.10.11
文科省/大学PFI事業の評価基準見直し/リスク分担設定など
文部科学省は、施設整備に伴う補助金を活用する国立大学法人などのPFI事業について、予算要求や事業化の判断などに用いる評価基準の見直しを進める。事業の安定性確保で、民間事業者や金融機関などに対するヒアリングを踏まえてリスク分担の設定に配慮することの追記や、財政面の創意工夫の内容などを検討する。PFI検討会で議論を進めていく。情報元:建設工業新聞
九州整備局/36自治体が導入済/道路の包括的民間委託
九州地方整備局は、九州における道路の包括的民間委託の導入状況をまとめた。導入済みの自治体は36団体となり、導入意向がある自治体や導入予定・検討中を含めても3割にとどまった。庁内の調整や責任分担が困難、コスト増加への懸念があるといった意見が散見される。データは今年1月時点のもので、アンケートに回答があった236団体の結果を集計した。包括的民間委託を導入している自治体の業務内容は、点検と診断が共に最も多い24件で、除草11件、巡回と清掃各10件、補修8件、剪定(せんてい)7件、除雪5件と続いた。
情報元:建設通信新聞
▽2024.10.9
東京都財務局/都有建築物にBIM/設計から維持管理まで/導入調査を公告
東京都財務局は、都有建築物の設計、施工、維持管理でBIMモデルを活用するための調査を進める。8日、「都有建築物におけるBIM導入に係る調査委託」の希望制指名競争入札を公告した。都は1月に発表した「シン・トセイ4都政の構造改革QOSアップグレード戦略versionup2024」で、財務局の取り組みとして「都立建築物BIM活用プロジェクト」を掲げた。
今回の調査では、国土交通省や地方自治体、民間企業、大学などでのBIMの検討状況や導入状況、課題を調査した上で、都有建築物の設計、維持管理業務などにBIMを導入する際の課題を整理し、導入方法を提案する。
情報元:建設通信新聞
▽2024.10.4
高松市/中心市街地にデータ活用/官民共創で賑わい高める
高松市は、「第4期高松市中心市街地活性化基本計画(案)」をまとめた。持続的に成長する「共創型まちづくり」の仕組みを構築し、官民が持つデータ基盤を連携した"データ駆動型"のエリアマネジメントを展開する。訪れる中心市街地だけでなく、参画する中心市街地を目指す。計画期間は2025年4月から30年3月までの5年とする。市は、インフラ情報を一元化した地理空間データ基盤を整備し、オープンデータ化している。そこに民間の情報をひも付け、防災や観光、渋滞解消などに活用したい考えだ。ハード面における中心市街地の開発が一段落した中、ソフトと組み合わせたプラットフォームを構築する。にぎわいづくりに向けた新たな段階に入った。
市は「コンパクト・エコシティ」を推進している。4期計画案では、「誘客力」「回遊性」「地域価値」という三つの羽(ブレード)を「共創」を基盤に循環させ、中心市街地に浸透させる施策に注力する。ウォーカブルなまちづくりで回遊性を高めるほか、Park-PFI(公募設置管理制度)を活用した中央公園の再整備事業を推進する。
情報元:建設通信新聞
▽2024.9.26
国交省/新たなインフラマネジ方針で素案、ハード・ソフト一体活用など5項目
国土交通省は効率性や横断的な工夫・方法といった視点から、インフラマネジメントの在り方を示す新たなインフラマネジメント方針の素案をまとめた。ハード面の機能とソフト施策の一体的な活用による相乗効果や広域的なインフラの再構築、民間資金の一層の活用などを打ち出す。素案は2026年度から5カ年のインフラ整備などの方向性を示す次期「社会資本整備重点計画」に盛り込む予定だ。方針に沿った施策の実現に向け、「継続的なスパイラルアップのための新たな仕組み」を構築する。具体的には▽先進事例の発信▽整備効果の見える化▽官民連携の推進体制づくり▽インフラの整備主体である自治体を継続的に伴走支援する体制の構築-の四つを想定する。
情報元:建設工業新聞
▽2024.9.9
釧路市/PPP/PFI手法導入/事業類型と規模を優先
釧路市は、PPP/PFI手法導入優先的検討指針を策定した。公共施設の整備で、最も適切な手法を選択できるよう、多様なPPP/PFI手法の導入を優先的に検討することを基本とした。「事業類型」と「事業規模」の2項目で該当する公共施設整備を優先的検討の対象とする。事業類型は、▽建築物かプラントの整備などに関する事業▽利用料金を徴収する公共施設整備--とした。事業規模は、(1)事業費の総額が10億円以上の公共施設整備(施設改修を含む)(2)単年度の事業費が1億円以上の公共施設の運営--としている。
PPP/PFI手法導入の優先的検討を始める時期は、「新たに公共施設を整備するための基本構想、基本計画などを策定するまでの期間」と「公共施設の運営方針を見直すか、新たに方針を決めるまでの期間」とし、簡易な検討と詳細な検討の2段階で検討を進める。
情報元:建設通信新聞
▽2024.9.5
関係省庁PT/国立劇場再整備、現行計画改定へ/工事費の上昇踏まえ
国立劇場(東京都千代田区)再整備の在り方を検討している関係省庁のプロジェクトチーム(PT)は、物価高騰などに伴う事業費の上昇分を巡る検討を加速する。過去2回の入札が不落となったのを受け、現行の整備計画を改定する考え。2025年度予算の概算要求で、同劇場再整備は予算額を示さない「事項要求」となった。高騰する建設工事費などを踏まえ、経費の算定にも留意した検討が行われることになりそうだ。関係省庁PTは整備計画の改定に当たり基本的な考えとして、現敷地での建て替えを維持する。劇場の機能やスペックでも現行の整備計画を維持し、PFI事業としても実施する方向で検討する。ただ民間提案の必須条件としていたホテル併設などに関しては「自由提案」とし、提案の幅を広げることにしている。
情報元:建設工業新聞
▽2024.9.4
国土利用最適化へDX/官民連携で取組み推進/基本計画で素案/道総合政策部
北海道総合政策部は、(仮称)北海道国土利用計画・土地利用基本計画(素案)をまとめた。基本方針として、地域全体の利益を実現する最適な国土利用・管理、土地本来の災害リスクを踏まえた賢い国土利用・管理、健全な生態系の確保によりつながる国土利用・管理の三つの視点を示すとともに、国土利用・管理DX(デジタルトランスフォーメーション)、多様な主体の参加と官民連携による国土利用・管理を掲げた。デジタル技術を活用した国土利用・管理の効率化、民間など多様な主体の参加、官民連携による取り組みを推進する。3日に開かれた道議会総合政策委員会で報告した。地域類型別の国土利用として、都市は低未利用土地の利用や空き家などの利活用による土地利用の活性化、農山漁村は荒廃農地の農地としての活用など、適切な土地利用の推進などに取り組む。自然維持地域は優れた自然の風景地など自然環境の適切な保全・再生を進める。情報元:建設通信新聞
▽2024.9.3
防衛省/25年度予算概算要求、施設強靱化に35・8%増の8571億円
防衛省は2025年度予算の概算要求で、前年度比10・5%増の8兆5389億円を計上した。5年間で総事業費約4兆円を投じる「施設の強靱化」に35・8%増の8571億円を要求。既存施設の更新に3255億円、部隊新編・新規装備品導入などによる施設整備等に3923億円を求めた。老朽施設の耐震化や防護性能の向上、陸上・海上・航空の各自衛隊の拠点整備などを進める。既存施設の更新は、駐屯地・基地など283地区について、構造強化や再配置・集約化に関する「マスタープラン」に基づき設計、工事を行う。省エネルギー対策や土地の有効活用も措置され、PFI方式の採用なども検討する。
情報元:建設工業新聞
国交省/品確法運用指針の改定骨子案、VFMなど新技術活用促す
国土交通省は改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づき公共発注者が講じるべき措置を盛り込む「基本方針」と、発注関係事務の共通したルールとなる「運用指針」の改定骨子案を明らかにした。運用指針では公共工事での新技術の活用を強く打ち出し、VFM(バリュー・フォー・マネー)に沿った資機材・工法の採用と予定価格への反映などを促す。国交省が主導する週休2日の「質の向上」や災害対応時の労災保険料の予定価格への反映など、働き方改革や災害対応力の向上に関する内容も充実させる。情報元:建設工業新聞
▽2024.9.2
政府/水循環基本計画を閣議決定/上下水道施設の耐震化を加速
政府は水施策の方針を示す「水循環基本計画」を改定し、8月30日に閣議決定した。今後5年間を対象とする新しい計画では上下水道施設の耐震化や、維持管理の効率化に向けたデジタル技術の活用を加速する。ダム管理の高度化や発電設備の更新支援によって発電量を増やし、2025年カーボンニュートラル(CN)の実現に貢献する。上下水道施設の老朽化が進む中で、管理者の維持管理の効率化を後押しする。24年度以内にDX技術カタログを作成し、5年程度で全国に普及させる。維持管理や修繕、更新を一体的に民間に委ねる「ウオーターPPP」は、31年度までに上下水道で合計200件の導入を目標に掲げる。
情報元:建設工業新聞
内閣府/25年度予算概算要求/デジタル田園都市国家構想交付金に1200億円
内閣府は2025年度予算概算要求で、一般会計が前年度予算比14・5%増の6555億円、エネルギー対策特別会計を含む総額で14・5%増の6582億円を計上した。PPP/PFIの推進に3億円、宇宙・海洋関係に313億円、科学技術・イノベーション政策関係に636億円を要求。デジタル技術を生かし地域の社会課題の解決や半導体開発拠点整備などを支援するデジタル田園都市国家構想交付金には1200億円を要求した。PPP/PFIはコンセッション事業の案件形成の支援を進めるとともに、地域プラットフォームの形成や調査・分析に力を入れる。成果連動型民間委託契約方式(PFS)の普及も進める。
情報元:建設工業新聞
文科省/国立青少年教育施設/PPP・PFI活用含め規模適正化議論/
文部科学省は8月30日、「国立青少年教育施設の振興方策に関する検討会」の初会合を開き、各地にある同施設の事業や管理運営などの検討に着手した。PPP/PFIといった民間活力の導入も含めた運営の合理化・効率化策、各施設の魅力を高める方策をまとめる。施設管理などを担う国立青少年教育振興機構の2026年度からの次期中期目標期間を見据え、関係施設の振興策も議論する。初会合では、事務局の文科省が教育・研修支援と維持・管理を論点に挙げた。維持・管理について検討会は、老朽施設の維持、人的リソースの確保、閑散期の施設活用などについて議論していく。PPP/PFI、手続きの電子化、規模の適正化、管理コストの低減などが議題になる見通し。
情報元:建設工業新聞
GSC構想の基本方針/設計・建設はPFI想定/運営法人が発注する見通し/政府
政府は8月30日、グローバル・スタートアップ・キャンパス(GSC)構想の基本方針を決定した。「世界最高水準のイノベーション・エコシステムのハブを構築する」ことをミッションに掲げ、構想実現に向けた推進体制は、統合イノベーション戦略推進会議を司令塔に、フラッグシップ拠点の運営を担う運営法人を創設する。フラッグシップ拠点施設の土地は、東京都渋谷区と目黒区にまたがる国有地を活用し、運営法人が建物の設計・建設を発注する見通し。設計・建設は「民間ノウハウや資金の最大限活用を基本」と明記し、PFI方式を軸に整備することを想定している。情報元:建設通信新聞
文化庁、国立劇場再整備で計画改定の方向性/ホテル併設は任意/現地建替え、PFIは維持
文化庁の「国立劇場の再整備に関するプロジェクトチーム」は、日本芸術文化振興会(芸文振)が再整備のためのPFI事業者を募集したものの、2回にわたって不調・不落となった国立劇場について、整備計画改定に向けた方向性をまとめた。現地での建て替えや施設の基本的考え方、施設のスペック、PFI事業での整備は維持しつつ、民間収益施設へのホテル併設を必須としないことを決めた。早期の入札手続きを目指し、文化庁の2026年度予算概算要求に国立劇場再整備費として17億円を盛り込んだ。国立劇場の再整備を巡っては、PFI事業者選定の入札が2回とも不調・不落となり、芸文振が有識者検討会を立ち上げて対応を検討してきた。検討会では、全面建て替えの方向性を維持しつつ、公的資金の投入を求める意見などが挙がっていた。6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2024」では、「国が責任を持って早急に行う」ことが明記された。PFI事業として実施する方向も維持しつつ、民間収益施設は、ホテルの併設や地代の設定などの提案を必須としていた条件をなくし、自由提案とする考えを示した。
情報元:建設通信新聞